日本初がたくさん。ブリューゲル一族展@東京都美術館

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ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜。

 

ブリューゲルのファンではないのですが、

昨年見たバベルの塔

随分昔に行ったBunkamuraブリューゲル展が

なんだか懐かしくなって足を運んでみました。

 

 

 ブリューゲル一族の作品を一堂に集め、

比較できるという企画も

ひとにフォーカスしながらアートを楽しむ

自分にとって魅力的。

こんな企画に出会ったことはこれまでにありませんでした。

 

家系図を考えながらアートを楽しむ

 

作品リストの冒頭は

ブリューゲル一族の系譜。

 

そして入り口入って最初は

各人の作風、特徴の説明があり、

それを念頭に置きながら歩きます。

 

初代のピーテル・ブリューゲル1世の息子は2人。

長男はピーテル・ブリューゲル2世。

父の作風を完全模倣して世に出し続けて

父の作風を広めたものの、お金にとても苦労していたそう。

「地獄のブリューゲル」と言われる奇怪な作風。

 

一方、次男のヤン・ブリューゲル1世は独自のスタイルを

築き、お金に困らない生活。

静物画の美しさから「花のブリューゲル」と言われたのだそうです。

 

と、こんなことを知った上で一つ一つを見ていくと

比較する楽しみが生まれました。

 

もう一つ、私にとって面白かったのが16ー17世紀当時、

画家たちの共作が自然に行われていたこと。

「共作」と表記される作品はなかなか見たことがありません。

良いところを出し合う感じで見ていて楽しかったです。

 

それからブリューゲルといえばの農民のお祭りや日常を描く

作品。「安定の」という感じで、お祭りで酔っ払ったら

こんな感じ、わかるなあという暮らしの中の普通の人たちを

切り取ったものに癒される感じがしました。

一族で作風にばらつきがあっても、

農民を愛情深く描く作風は共通だったそうです。

  

*ヤン1世とルカス・ファン・ファンケルボルフの共作

「アーチ状の橋のある海沿いの町」

2人の得意で分担をしたのではないかと思われる作品。

ルカスの澄んだ空と水面の色使い、光の感じの美しさが忘れられません。