究極のパワースポット?! 仁和寺展@東京国立博物館

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東博で3月11日までやっている

仁和寺と御室派のみほとけ 天平真言密教の名宝。

ふらっと入りましたが、唯一無二、なかなか見られない

秘仏も多く集まっていて、人におすすめしたくなる企画展でした。

パワースポット好きの方にとって、今の東博は究極かも。

仁和寺の特別な御朱印をいただける時間帯もあるそうです。

 

空海はこんな字を書くんだ

はじめに文書や人物画、歴史的な資料が展示され、

そして曼荼羅や絵巻、そして仏像へと進んでいく構成。

 

前段で目を引いたのが、空海直筆とされる「三十帖冊子」。

はるか昔を生きた空海の書いた文字を見ることができる

なんて思ってもみず、感激。これだけでも来て良かったと

思いました。

 

展示されていた書物や絵は平安時代鎌倉時代

ものにも関わらず保存状態が良いものが多く、

そのことも新鮮。

仁和寺がこうした品をいかに大切にしてきたかが伺えました。

 

千手観音の迫力と涙を流す坐像

主軸の大阪葛井寺千手観音菩薩坐像。

両側に無数に伸びる手の一本一本は繊細で細いけれど、

左右に大きく広がった様子は圧巻。力強い翼のようでした。

そっと手を合わせる人を何人も見かけました。

 

それ以外にも自分の心に響く仏像をいくつも見つけました。

その筆頭は出家前の釈迦を表した「悉達太子像」。

幼さの残る顔立ちに薄く開いた眼の玉の光が綺麗。

眼から両頰をつたうように、おそらく偶然にできた筋が

涙の跡のようで、泣いているように見え、

とても美しかったです。

 

仏像ごとのヘッドラインと座ってながめられる展示室

今回の企画展で光っているなと感じたのが、

随所に示された仏像に対するタイトル。

例えば百万ドルの夜景を見下ろす秘仏

2.5m超の異形の密教尊像

など、ニュースのヘッドラインのよう。

端的に仏像の特色を伝える言葉を大きく記し、そこに光を

当てていました。

小さな詳細を読みに行かなくても遠くから

仏像の違いや特色がわかり、興味を持って最後まで見て

いくことができるようにという配慮を感じました。

 

また、展示室内の随所に椅子があり、

展示を落ち着いて留まってながめられる配慮が

されていたのもとても良かったです。

 

気になられた方はぜひ。金曜、土曜は21時までやっています。

 

後記

今回、お友達同士で話しながら、単眼鏡を手にじっくり、

静かに一人で手を合わせながらと

いろんな方がいたのも印象的でした。

それから、ふと思ったのですが、

もし車椅子の方だけが入場できる日があったら

車椅子の方も気兼ねなくじっくり近くで展示を見られるのかな

とも。いつもちょっと残念なのではないかなと思うのです。

 

その他気になった作品

彦火々出見尊絵 江戸時代 福井明通寺: 生き生きとした絵巻

菩薩坐像 奈良時代 神奈川龍華寺: 赤銅色になった艶やかな色味の美しさ

馬頭観音菩薩坐像 鎌倉時代 福井中山寺: 眼の美しさ

如意輪観音菩薩坐像 平安時代 兵庫・神呪寺: 

 キャッチコピーが百万ドルの夜景を見下ろす秘仏なのに、

 実物はあまりにもアンニュイでやる気がなさげ(菩薩様、すみません。。)

 な印象でギャップが面白かったので。