作家さんの「限界を設けない力」が素敵だった件

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先日、訪れた体感型アートのテーマパーク。

作家さんたちが素敵だったので

そのことを書いておこうと思います。

 

作家さんと作品たち

参加されていたのは

陶器、木や革の細工、布小物やつまみ細工

など、色々なものを作っている作家さんたち。

そんな中のお二人を少しだけ。。 

 

Haneco の谷山由樹子さん 

宇宙や古代を思わせるような美しい青や

金の色づかいが印象的な谷山さんの作品。

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写真に写っているガラスの埋め込まれた水鏡の

ようなお皿は、どの土を使い、どんな風に

ガラスを埋め込めば良いか、試行錯誤の実験を

たくさん経て生まれたそう。

「私は独学なので、本当に大変。」と明るく笑う

谷山さん、すごいなあと思いました。

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谷山さんは子育てで作陶を中断。

10年のブランクを経て数年前に作陶を

再開したのだそう。

「本当に勇気もいったけれど、もう一度

始めてみたんですよ。もう鳥の模様とか、

老眼で大変だし、買っていただいたものを

お客さんの前で包むのも久しぶりで。。」と

また笑顔。

気さくな人柄と素敵な作品、すっかりファンに

なりました。

 

kicororoさん

娘さんとお店を出されていたパパ作家さん。

温かみがあって手触りの良い木工アクセサリーを

作られていました。

写真は木の蝶ネクタイたち。

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とても素敵な寄せ木細工だったので思わず

「素敵ですね!」と声をかけると、

「仕事で出た端材を使って独学で作っている

ので。。」とのこと。

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独学でこんなに美しい組み合わせ、

滑らかな細工ができるなんて、

なんてすごいんだろうか。

「やりたい」を形にしていく力に心底感動しました。


作家さんたちに出会って気づいたこと

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作家さんたちと話しているうち、

「人ってやろうと思えばなんでもできるんだなあ」

という思いが自然に浮かんできました。

 

自分に限界を設けず行動した作家さんたちが

「その先」を見せてくれたことで

自分もやる前から限界を決めないようにしていきたい

なと思いました☆

暁斎展の見どころ−2 生命と時間を絵の中に。

サントリー美術館暁斎展に行ってみて、

暁斎には「生命と時間を絵のなかに

とじこめる力」があると感じるように

なりました。

暁斎の魔法が解かれたら

その瞬間から絵の中のものたちは

生き生きと動き出すような。

 

今回は第4章から7章までで気になった

作品、学芸員さんから言及のあった

作品などを書き留めておこうと

思います。

後半は特に良いものづくしで

じっくり眺めたり、戻ってもう一度観たり。

その割にそんなに細かに覚えて

いなかったりしますが^^;

 

どなたかのご参考になれば。

 

 

第4章 戯れを描く 戯れに描く

貧乏神図

学芸員さんから紹介された作品。

暁斎は「絵の中から貧乏神が出て

こないように!」という意図で

注連縄の中に貧乏神を描いたとのこと。

その考えだけでも暁斎らしいなと

笑みが出てしまうのですが、

表装にもこだわりがあって、

つぎはぎの織物が貼り付けられて

います。この徹底ぶりも暁斎らしい。

この絵は、貧乏神と会話するような

気持ちで楽しむのがおすすめです。

 

五聖奏楽図

十字架に架けられたキリストが扇と鈴を

持ち、その周りで釈迦や老子などが

楽器を奏でる。どうしたらこんな

発想が生まれるんだろうと感じました。

 

僧正坊 鞍馬天狗 牛若丸 一名遮那王

蒙古族舩退治之図

風流蛙大合戦之図

名鏡倭魂 新版

この並びの作品はどれも大胆な構図、

色味の鮮やかさに目を奪われるもの

ばかり。

写実的ではないのに空や海まで動き出しそう。

北斎とは異なり劇画的、ウォーホール

ような味わいも感じさせました。

 

朝比奈三郎絵巻

今にも動き出しそうだ!と感じた

絵巻でした。

 

第5章 聖俗/美醜の境界線

処刑場跡描絵羽織

5章の部屋に入ってすぐ、

羽織の裏側に処刑の柄。

いったいなんのために?と思いながら。。

死体を模写した九相図の経験を

生かしたとされていて、その視点からも。

残酷な作品でもあるため、無理ない

範囲での鑑賞が良いと思います。

 

幽霊図

身体の透け感が幽霊のイメージそのもの。

惹きつけられました。

学芸員さんから、左右の目の色味の

違いについて伺っていたので、

そこもじっくりと。

一方は白目が薄い水色、黒目が金。

もう一方はその逆に。

うっすら開いた目なので、わかりづらい

ですが、透明感とはかなさを生んでいるよう

な気がしました。

 

第7章 暁斎をめぐるネットワーク

第6章の珠玉の名品はそんなに

心に残るものがなく、7章です。

 

ひな祭り図

今回の企画展で最も心に残った作品。

観た瞬間、作者の温かな気持ちや愛情が

溢れ出ていると感じる絵でした。

そうした絵はとても貴重で、私にとっては

ピカソのマリーテレーズについで

これが貴重な2作品目。

 

暁斎パトロン・小間物問屋

勝田五兵衛の娘・たつが14歳の若さで

亡くなり、

「あそべるも 今年かぎりか ひなまつり」

という句を残したことから、極楽で

ひなまつりを楽しむ様子をパトロンのために

描いたもの。

 

何度でもこの前に立ちたい。

そう思える澄みやかで温かな絵でした。

 

野見宿禰当麻蹴速

湯島神社の絵馬。絵馬も描いていたのか!

と驚きました。そしてかっこいい。

 

百猩々

数えながら観ていくと断然楽しく

なる絵。本当に100でした!

 

達磨図

やっぱりインパクト大です。

 

暁斎絵日記

毎日暁斎が書いていた眺めて楽しい

絵日記。

絵の依頼主・松浦武四郎に絵はまだかと

嫌味を言われたこと、

自分が絵師として引っ張りだこな

様子など、生き生きと人柄が伝わってくる

日記です。

 

**********

以上、簡単なメモでした。

 

追記

今回の企画展のカタログもとても良さそう

でした。

最近は質の良いカタログがそう多くない

と感じているのですが、そんな中でとても

貴重です。図録は再訪したら買おうかな。。

と考えています。

 

暁斎展の見どころー1 努力家・伝統の顔とユーモアと。

ユーモアと伝統と努力に裏打ちされた

確かな画技が暁斎の魅力。

そんな風に感じられるようになった

サントリー美術館河鍋暁斎展。

学芸員さんから伺った見どころ、

私自身が気になった作品などを

メモしておこうと思います。

 

まずは7つの展示室のうちの3室について。

今後行かれる方にとって少しでもご参考に

なれば嬉しいです。

 

第1章は逸品揃い

枯木寒鴉図と花鳥図

前者は水墨、後者は鮮やかな着色画で

いずれも明治14年の博覧会に出品されたもの。

全く異なる2作を同時に出品することで

暁斎の画技の幅が鮮明に。当時の感覚を

この展示室で体感できます。

 

一見地味にも見られかねない鴉図に

暁斎が付けた価格は当時破格の100円

という高値。

非難が上がると「鴉の値段ではなく、

長年の画技修行の価」と返したのだとか。

暁斎の努力に裏付けられた腕への自負と

戦略家的一面が伺えます。

このエピソードを知ってから観ると

この2作品をまた違った形で楽しめました。

 

観世音菩薩像

学芸員さんからも言及があり、

私も気に入ったのがこの作品。

ヴェールの透け感、肌の丸みや温かみ、

水しぶきの瑞々しさなどが素晴らしい上、

額の白毫から出る澄みやかな光の美しさが

印象的。

 

第2、3章 狩野派絵師と古画

錘呂伝道図

古画を写すことで画題や描き方を学ぶ様子を

具体的に示していたのが錘呂伝道図。

お手本となった作品とともに展示されており、こうした展示は初めての試みだそう。

 

九相図

人の死体が腐乱して白骨化していく様の

模写。第5章の処刑場跡描絵羽織は

羽織の裏面に処刑のようすが描かれて

いますが、この九相図の経験が生きている

のではないかと。

 

放屁合戦絵巻

おならを巡る合戦絵巻。描かれた人が

とても生き生きしていて、躍動感全開。

ユーモアに溢れる場面の数々が楽しい。

 

蛙の蛇退治

蛙好きの暁斎はこのほかにも蛙を主体とした

鳥獣戯画のような絵を描いています。

蛙シリーズはユーモラスで楽しい暁斎

世界を楽しめる作品群。

 

日課観音図

個人的には日課観音図に感銘を受けました。

毎日の日課として観音像を描く。

たゆまぬ努力の人なのだということが

この展示ひとつで強く伝わってきました。

 

第4章以降はまた後日に書きたいと思います。 

展示替え後も行きたい 河鍋暁斎展

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サントリー美術館

河鍋暁斎

 その手に描けぬものなし」。

何の気なしに行ってみましたが、

企画自体も作品もとても良く、

出口を出るのになんとなく後ろ髪を

引かれる思いになりました。

 

3月上旬に展示替え。

その頃また行ってみるのも良いかなと

思っています。

 

暁斎について学芸員さんから

河鍋暁斎は幕末から明治に描けて

活躍した絵師。

妖怪や幽霊、大胆な筆致のイメージが

ありましたが、伝統に根ざした狩野派

の師匠のもとで学んだ、実は正統派的な

絵師だったとのこと。

国内外の昔の優れた絵・古画を多数模写

して画法や画材を学び、それに個性を加えて

暁斎ならではの作品を描いています。

 

子どもの頃、優れた絵の才能から「画鬼」と

呼ばれた暁斎

その後は狂画を描いていたことから

自らの名を「狂斎」としていましたが、

40歳で投獄されたことを契機に「暁斎

に改名したそうです。

 

こうした情報は企画展の学芸員さんの

エデュケーショントークで。

この企画展の特色についても、

あまり知られていない伝統的流派に

根ざした暁斎の側面をしっかり

伝えようと考えましたといった

話がありました。

 

暁斎の絵師としての歩みや人となり、

注目すべき作品を教えてもらうことが

でき、

その後の鑑賞がより楽しくなりました。

 

企画展の構成

7章立ての企画となっていました。

第1章は、暁斎の代表作的な作品から

その後は年月の流れに応じた構成と

なっていたかと思います。

第2章 狩野派絵師として

第3章 古画に学ぶ

第4章 戯れを描く、戯れに描く

第5章 聖俗/美醜の境界線

第6章 珠玉の名品

第7章 暁斎をめぐるネットワーク

 

私は特に、第1、5、6、7章に

強く印象に残るものが多くありました。

他の企画展ではあっても数点ですが、

今回はたくさんありすぎるほど。

 

そんな作品メモ、注目に値する作品の

ポイントを別の機会に書いていきたいと

思います。 

テーブルウェアフェスはモチーフまつり☆

テーブルウェアフェスティバル2019、

ねこ くま りんご。。。

モチーフ好きにはたまらないフェス

でもありました。

 

ひととおりお買い物が終わって余裕が出たら

いろいろ探してみるのも☆

 

例えば。。をとりとめなく写真で。

 

クマなら。。

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ネコなら。。

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りんごなら。。

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今年の干支にゾウまで。。

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テーブルウェアフェス2019で気になったもの


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今週末までのテーブルウェアフェスティバル。

自分が気になったものを

書きとめておこうと思います。

どなたかの参考にもなったら。

  

信楽 古谷製陶所さん

温かみがあってかわいいものがたくさん。

厚み・重みがあるものもあるけれど、

そうではない扱いやすいものも多いです。

白地の焼き物では火入れの具合でピンク

がかった色味の出方がひとつひとつ違うのも

とっても魅力です。
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きらら館(茨城県 笠間焼)

こちらは手触りはつるん、少し厚めの笠間焼。

白味がなんとも美しく、

猫づくしがたまらないお店です。f:id:apricotty:20190208213626j:image

 

丸直製陶所(岐阜県 美濃焼)さん

とてつもなく薄くて透け感が美しいカップの数々。

光にかざすと模様が透けてみえるくらいに薄い。

とっても繊細で美しく欲しいと思ったのですが、

すぐに割ってしまいそうで、いつかまた。
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樹の音工房さん

色合いや絵柄の柔らかなものが多い

会津の工房さん。

器は肉厚めで比較的重みのあるものが

多かったです。

 

青いつぼみ?のあしらわれた大きめな椀が

とっても素敵だったのですが、

また今度の機会にすることに。f:id:apricotty:20190208125028j:image

マグやプレートは色味違いがたくさん。

つい揃えたくなりそう。

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おそらく津軽金山焼さん

津軽こぎん刺し、可愛かったです。f:id:apricotty:20190208192150j:image

 

渓山窯 南州工房(鹿児島県)さん

着物のような絵柄に絹目感のある地。

とても美しくて繊細でした。

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波佐見焼の数々

今回の楽しみのひとつだった波佐見焼き。

梅のシリーズは白、水色、ピンクがあり

華やかでかわいくて素敵だったのですが、

大きさが合わなかったので見送りに。

写真を見返してもやっぱり綺麗。

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このあたりも素敵でした。

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このシリーズの薄水色のお皿は、次々売れていきました。

とても可愛くて私も買おうかたくさん迷いました。
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名前は確認しそびれたのですが。。

映えるねーとたくさんのひとの目を

ひいていたのが、この黄色いぽってり

ジューシーな見た目の器たち。

なんとなく、ヨーロッパ感にあふれていました。

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近くで手にとってじっくり見るより、

遠くで見ているルックスのほうがわたしは

好みでした。

 

この塗りのデザートカップはいつか

買いたくなりそうな

そんな素敵なものでした。
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***

買っておけばよかったかなと後悔している

ものもありますが、またこんどの楽しみに。

少しずつ、自分の好きなお店が増えていくのを

楽しみたいと思っています。

テーブルウェアフェスで自分好み・お客さん好みに出合うコツ

テーブルウェアフェスティバル2019、

ブースがたくさんあり、

どこに自分好みのものがあるのか、

初回は特に大変。

 

そんな中、いろんなブースをまわっていて

ふと気づいたことがありました。

 

それは、自分が購入したお店で買い物をしたと

思われる方が、私が次に行こうと思っていた

お店の紙袋を持っていたこと。

 

その2店は、ナチュラル系ではあるものの、

素材的にも手触りや厚み的にも同じテイスト

ではない。

でも、Aというお店が好きな人は、

Bというお店のテイストも好みのことが多い

といった何か惹かれる共通ポイントが

あるのかもとふと思いました。

 

そう考えると、

同じお店で買い物をしようとしている人を

ちょっと見回して、

どんなお店で買い物をしたんだろうと

見てみることで、

無数のブースの中から新たに好みのお店を

発見しやすくなるかもしれません。

 

このフェスではとてもそんな余裕がない

ブースがほとんどですし、

「作り手」であればあるほど、

その作り手さんならではの世界観がある

ので考え方は馴染まないとは思うのですが、

出展者さんの側にも使えることかなと思います。

 

自分のブースに来てくれる人が

どんなところで買い物をしているのか、

どんなブースに特に興味を示しているのか。

お客さんと、そのお客さんの関心の高い

ブースを観察してみることで、

自分のお店のテイストと親和性のある

新たな商品やディスプレイ、

コミュニケーションなどの発想が得られるかも

しれません。

もちろん、不特定多数の様々なブースからも

学ぶことは大きいのではないかと思うのですが。

 

まだまだ会期は続くので、

引き続き、フェスでいろんな方に色々な良い

出合いがあることをお祈りしています^^