テーブルウェアフェスティバル、こんな風にまわってみました


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昨年から気になっていたテーブルウェア

フェスティバル。

初日は11時からですが、開場前から

すごい人だかり。数百人は並んでいたと

思います。リピーターが多そうでした。

 

30分くらいしてようやく会場内に。

 

事前にネットで情報を見たり、場内地図を

見たりしたのですが、

初めてだとイメージが明確にはわかなくて。

今年は初めてだからと割り切って

とにかくまわってみましたが、

これから行く方の参考になれば。

 

 

 

入り口から右まわり?左まわり?


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ディ ターフェルというブランド目当てなら

そちらからが良いそうですが、

私は今回、そこまでの目当てはなく、

窯元の器をいろいろと見たいという程度。

 

そのため、右手にある美濃焼のどんぶりの

展示の方からぐるっとまわっていくことに

しました。

 

もし目的がはっきりしていたらそちらからが

良いと思うのですが、

探検のようにフラットにいろんなものを見て

まわるのが思った以上に楽しかったので、

もしお目当てが決まっていなかったら

私のように「とりあえずまわり」で

十分楽しめると思います。

 

左手の入り口に近い方向は外国のものが

多かったので、

外国ものが目当てなら入り口を降りてすぐの

右手のGerman Tablewareの特集展示を

見つつ、そこから左回りも良さそうです。

でしたら、そちらからが良いかもしれません。

 

テーブルウェア大賞・メーカーの企画展示

気に入る器があったら欲しいなと思っていた

私は、企画系の展示は全て後回しにして

まずは購入可能なブースへ。

購入後、落ち着いて入賞した器や

いろんな発想のテーブルセッティングを

見てまわりました。

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この器、とても綺麗でした!

 

特に良かったのはラルクのTETSUYAさんの

宇宙コーディネート!

かっこいいことこの上ない。

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石坂浩二さんの電車空間も

テーブルセッティングという印象は

薄めでしたが、楽しい感じ♪

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ほかにもたくさん、面白いな、素敵だなと

感じるものがありました。

 

グラステイスティングも人気

入り口から右手方向に行くとある

グラステイスティング

好きなグラスを指定して

有料で白・赤・シャンパン、ソフトドリンク

の中からチョイス。とても人気のコーナー

だそうです。

みんな写真を撮りながら楽しんでいました。

グラスにワインが映えてとても綺麗でした。

 

朝いちの方が混んでいて、夕方になると

列も10人程度だったので、

混雑していたら時間調整をする方が

良いかもしれません。

 

室内でゆっくり、美術館に来たように

屋外の陶器市のようにお天気によって暑かったり

寒かったりせずじっくり見られるのは本当に

ありがたいです。

 

入場料もかかるし。。と迷っている方は

美術館に行くような気持ちでよかったら。

今を生きる方達の作品でいっぱい!と

考えたら企画展のようにも楽しめます^^

 

来年来るなら、またフラットにいろんな

ブースを見てまわりつつ、

今回買い物をした信楽古谷製陶所さんと

笠間焼のきらら館さんを訪問したいです。f:id:apricotty:20190203204338j:image

それから、次はHARIOのガラス製の

楽器のコンサートを聴きたい!と思います。


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新北斎展でわかった北斎の新たな魅力


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北斎展。

永田生慈氏のコレクションを中心に展開し、

北斎の人生を6期に分けて、

展示していました。

 

一人の人の一生を追っていく展示は、

作風の推移だけでなく人となりや人間関係、

人生をとりまく様々な出来事まで

垣間見ることができ、以後その画家に対する

親しみが強まったりするので好きです。

今回は以前の北斎展とは異なる新たな魅力に

出会えました。

 

北斎の色といえば

これまでの北斎は、色でいうと

富嶽三十六景の「青」の印象が強かった

のですが、宗理期(36〜46歳)の頃の

作品群では「紅」がとても鮮やかで美しい。

今、北斎といえば?と聞かれたら

あの紅と答えたいと思います。

それから水墨画のような微妙な

グラデーションの「緑」も印象的でした。

訪れると、私のように自分にとっての

北斎のイメージカラーが変わるかもしれません。

 

比べるからこそわかる、晩年の迫力

北斎の描きぶりも時期に応じて変化していきます。

他の画家で感じたことがないのですが、

晩年が一番力強い。

画技をひたすら高めていくことに人生を

賭したからこそかもしれません。

 

特に弘法大師修法図 (1844-47)の緊迫感。

いまにも目の前で動き出しそうな鬼と

弘法大師は圧巻でした。

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そのほか、おもしろかったこと、もの

その他、いろいろな新たな北斎の魅力に

出会えました。

○諸国名橋奇譚

いろいろな地方の様々な橋が楽しかった

です。橋マニア必見。

富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 (天保1830-34頃)

どのように版が刷られていくかわかる

版画の刷り上がりまでの展示。

プリンターに慣れてしまっていると、

版画もむしろ描くよりも容易だったの

かなと思ったりもしたのですが、実際は

事前にどんな色味の構成にするか決め、

色ごとに版を細かに分け、刷り重ねて

色をつけ、グラデーションも作っていく。

この過程を見たら、作品を観る目が大きく

変わり、版画の美しさにより敏感になりました。

 

○梅樹図 (寛政9年,1797年頃)

円山応挙の雪松図屏風のように、描かずに

描く技法。

応挙以外にもこんな印象深く描く画家がいるのか

と嬉しくなりました。それと同時にこの描き方が

自分は大好きなことを再認識。


○しん板くミあけとうろふやゆしんミセのづ (1807-12頃) 

組み立てるとお風呂やさんになる平面図のセット。

この頃からこんなものが出ていたのかと親近感が

わきました。当時の遊び心がわかって楽しいです。

 

北斎漫画や下絵など

職人さんや画家たちの教本的なさまざまなひと、

動物、ものなどの動きのスケッチ。

これがあることでどれだけのひとが腕を上げられ、

重宝したんだろうか。そしてかわいいものも多く、

手元に置きたくなるものもありました。

 

****

いろいろな魅力に出会える新北斎展。

途中何度か展示替えがあるようです。

止むを得ない事情なら仕方がないなと

思うのですが、なんども足を運ばせる

ためだったら残念です。

 

確かな意図を持ってしっかり展示

しきられていてこそ、

観る側の立場に立った素晴らしい展示

のできる美術館かと思います。

 

 

 

混雑している企画展での鑑賞法

今開催中の新北斎展は小さめの作品揃い。

その筆使いや色味などを堪能するには

近くで観るほうが良さそうな作品が多く揃っています。

 

まだ始まって数週間ながら会場内には長い行列。

ノロノロの行列に並んで他の人のペースに

合わせて観ていくのは根気が入ります。

 

以前はそうした展覧会は諦めて遠巻きに観て

早々に退散することも多かったのですが、

いろいろ行っているうちに共通する傾向が

あることに気づきました。

 

2つくらい部屋を過ぎると列がそれほど

でもなくなる。

最初からじっくり、長いノロノロ列で

がんばることに疲れるひとが出てくるから

なんだろうなと推測しています。

 

そのため、今回は最初の2部屋くらいは

遠巻き。観たいものだけ列の後ろからでもじっくり観る。空いてくる3部屋めあたりから

列前で鑑賞するという形で以降はマイペースで観ることができました。

 

どなたかのご参考になれば☆

民藝Another Kind of Art で静かな午後を


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深澤直人さんディレクション

民藝展@21_21 DESIGN SIGHT。

器が大好きなのでずっと気になっていました。

 

会場はそれほど混雑しておらずゆったり。

日本民藝館館長でもある深澤さんの

選んだ約100点の品が展示されていました。


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数は少なかったのですが、

キャプションと一緒に楽しむことで

新たな視点でじっくり楽しめるように

なっていたと思います。

 

私にとっては館内で流されていた

各地の若手職人さんの映像や言葉が

とても素敵で満足。

焼き物や織物の里など、里巡りもしてみたく

なりました。

 

民藝好き、あたたかみのあるてづくり品の

好きなかたの静かな休日におすすめです。

 

いいなと思った言葉

柳宗悦

国家は少数の異常な人々を挙げて、その名誉を誇るかも知れない。しかし一国の文化程度の現実は、普通の民衆がどれだけの生活を持っているかで判断すべきだろう。

 

展示のなかで
  • 抱き寄せたくなるような愛らしさ
  • 何気ない風景にパターンを見るというセンサーこそ染色家の才能
  • 眺めるだけでなく、手にとって触れる民藝館を(出雲)

 

年明けは三井記念美術館から


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毎年楽しみにしているのが

年に一度の三井記念美術館

円山応挙の雪松図屏風。

 

昨年は年明けからでしたが、今年は

昨年末からの年またぎで

国宝雪松図と動物アート という

企画展が行われていました。

雪松図をたっぷり鑑賞しつつ、

今回ならではのテーマを軸にした

作品もゆっくり堪能してきました。

 

今年は初公開の

長沢芦雪筆 白象黒牛図屏風も目玉。

屏風いっぱいに描かれた

黒牛と白象、インパクトがありました。

 

面白かったのは

十二支を擬人化した十二類合戦絵巻(江戸時代)。

最後の剃髪場面で

剃髪してあげる側としてここだけ

人間が登場しているのもちょっと

楽しい感じでした。

 

可愛らしかったのは

永楽和全の交趾写銭亀香合。

昨年の根津美術館の企画展で

すっかり香合ファンになりました。

香合のバラエティーの豊かさにはわくわくです。

それから、野々村仁清信楽写兎耳付水指。

兎好きのひとにはたまらない作品かと思います!

 

超絶技巧ファンなら

安藤緑山の染象牙貝尽置物や

高瀬好山の伊勢海老自在置物が

本物顔負けの精巧さ。

思わずじっくり細部まで観察して

しまいたくなる作品でした。

 

静謐さが感じられる雪松図を

観ながら、お正月らしい華やかさの

感じられる作品も味わえる

三井記念美術館。年始におすすめだなと

思います。

 

読谷山焼物陶器市2018(やちむんの里)

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沖縄の焼物 やちむんが大好き。

今年はじめに沖縄でやる陶器市のことを知り、行ってみました。

12/13金-15日まで朝9:00から開催で、訪れたのは14日、中日です。

 

車なしでもバスで大丈夫!

沖縄というとレンタカーがないと移動が厳しそう。。 と最初は諦めていたのですが、 調べたら数少ないながら那覇市内からのバスが出ています。

那覇バスターミナルからやちむんの里の最寄り、 親志入口までは大体70-80分くらい。 そこから10分ちょっと歩けば工房が見えてきます。

バス停はこんな感じです。
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やちむんの里までの道はとてものどかで気持ちいいです。


人気工房は最初に

到着はバスがかなり遅れて9:10頃だったかと。

私はまず里の入口から順番に見て行ってよかったものを後で買いに行こ う。、と思い、入口から。

でも他の方々は各工房に行ったその時に即決で買っているようでした。その方がなくなってしまうこともないので、本当にほしいものはそれが確実ですね。

 

開始から1時間経たないうちだったのですが、 奥まった場所にある工房のいくつかは商品がすっからかんだったり 、大量購入するお客さんの列ができていたり。

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人気の工房は本当にすっからかんでした。

一番良いのはやっぱり初日の朝いちかなと思います。

ただ、人気工房の買い物競争に乗り遅れたことで、気持ちに余裕が持てたところもあって良かったのかなと思いました。

それに、周りの方が初日の午後よりものがあるねと言っていたので、その日毎に新たなとっておきもありそうです♪


人の好みは千差万別

同じやちむんといっても工房ごとに個性はいろいろ。

いろんな陶器があります。

そんな中、手に取る器は本当にひとそれぞれ。


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やちむん好きとしては、いろんなひとの好みを知るのも、 ああかわいいなあとか、そんなつぶやきを聞くのもなんだか楽しいです。


支払いは現金で。

市だからきっと現金が良いだろうなあと思い、 ここまで使ってよしと上限を決めて持って行きました。

クレジットカードはほとんどの工房で使えないようでしたので、

行く時はぜひ現金持参で。 予算を決めて持っていくと買いすぎも抑えられます(^ ^)


益子の陶器市の教訓を生かしてお買い物

陶器市は益子についで2回目。

今回はできるだけ、本当に欲しいなあと思えて活躍する様子が目に浮かぶ使いやすそうなもの を選ぶようにしてみました。

それから、 自分のいつもよく使うお皿と必要なお皿の寸法をメモしてきて、 デザインだけに惹かれたり、 周りのひとの空気に呑まれたりしても立ち止まれるようにしてみました。

 

結果、必要なお皿の寸法に合わせて。。は難しかったのですが、活用できるものをある程度買えたかなと思います。


今回我慢したお皿たちはいつかのための余白として取っておこうと思います。

 

やちむん好きには文句なくおすすめの陶器市。

規模も大き過ぎず、ちょうど良いし、 バスを使っても益子と違って渋滞もそこまでひどくなく、駐車場難民にもならないし、

なにより大好きなやちむんにこんなにたくさん触れられるなんてなんて素敵なんだ!と幸せになります。

とてもおすすめです。

行く前の私のように迷っている方はぜひ、行ってみてくださいね。

 

帰りに北谷もおすすめ♪

那覇泊でバスなら、帰りに北谷に立ち寄るのもおすすめです。

綺麗な海も楽しめます。

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アメリカンビレッジはクリスマス仕様。

レトロでかわいい。

建物の雰囲気と外国人ばかりのお客さんとで外国に来たような気分も味わえました。

 

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贅沢空間「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展

東京国立博物館

「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展。


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いつもならば2階の左右の展示室の両方を

使うことが多いですが、

みほとけ展とデュシャン展で左右がわかれて

いました。

作品点数は少なかったのですが、

内容的には十二分に見応えがありました。

 

素敵だったなあと思い、トーハクのブログ

を参考にしながら以下で振り返ってみまし

た。読んでから行くと良い予習になりそう

です^^

 

六観音菩薩像ですっかり肥後定慶ファン

六観音は、

の6つの観音菩薩の総称とのこと。

それぞれに個性のある菩薩像ですが、

特に定慶41歳の作(定慶作とされて

いるもののうち最古だそう)とされる

准胝観音がとても素晴らしく

すっかり定慶ファンになりました。

腕の丸みや質感、肌のきめ細かさなど、

何でできているのか忘れそうになる程

リアル。

また、他の観音像も総じると、

衣服のドレープが幾重にもあり、

快慶のそれよりもとても華やかで

風を含んだような感じがありました。

 

如意輪観音の台座も木を立てかけた

ような趣向になっていて、

当時のものかはわかりませんが

新奇性があり、面白かったです。

 

快慶の部屋で十大弟子立像に囲まれる

定慶の部屋より前に快慶の部屋があり、

秘仏本尊、釈迦如来坐像と十大弟子立像

があるのですが、

部屋の入り口が見えるなり、

「おお、すごい」という声がよく聞かれ

ました。各仏像の間隔をゆったりとった

展示で、広い空間を贅沢に使っています。

 

十大弟子立像は

舎利弗ならば「説法第一 どんな人でも

説得」、目犍連(快慶自らの作とされま

す)ならば「神通第一 いざという時は

超能力」など、いわば「人となり」が

あり、それぞれの表情や体躯の個性が

素晴らしく、一体一体、

個性と目の前の立像を付き合わせて

「さもありなん」と思うことが多々。

とても楽しく眺めることができました。

また、着衣のドレープの繊細さにも

惹かれました。

 

阿難陀が美男とされるようですが、

私は阿那律(「天眼第一 眼は

見えないけれど心の眼で」)がとても

気に入りました。

横顔の美しさでまずハッとして、

正面から見ても美しくて。周りの

方々の中にもこの立像を「綺麗」と

言っている方がいらっしゃいました。

 

展示説明でよかったこと、残念だったこと

とても個性的な十大弟子が面白く見えた

のは、作品リストの裏面の情報(上の写真

のものです)に気づいてから。f:id:apricotty:20181125145410j:image

ほんのひとこと、ふたことですが、

それぞれの弟子がどんな個性があると

されるのかがわかるものです。

そのわずかな紹介文でも、

読むと俄然、像を見るのが楽しく

なりました。

フェルメールでは冊子でしたが、

そんな形態でなくとも、

その作品の情報が手元で見られる

ということはひとの興味や関心を

深める機能があるように思いました。

 

ただ、なかなかリストの裏面には

気づきにくい上(他の方々が手に持って

いるものを見て随分経ってから私は

気づきました)、

会場自体の説明パネルも

部屋の奥の方にあり、情報がないまま

漫然と見続けてしまいがちかと思います。

 

また、説明パネルには展示作品リスト

以上の情報がなかったのも残念でした。

もう少し各弟子の個性がわかるような

説明があれば、

一つ一つの像をより興味深く観ること

ができ、世界にひきこまれる感覚に

なるのではないかと思いました。

 

「戻ってもう一度」もおすすめ

人が少なくスペースがゆったりとして

いるので定慶まで観終わってから

また快慶に戻って比較しながら全体

を見るという楽しみ方もおすすめです。

 

秋の庭園開放

企画展が行われている平成館のすぐ

横に入口のある庭園は期間限定で

開放される癒しのスポット。

秋の庭園開放は12月2日の日曜

までです。

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紅葉している木々もある中での散策、

もし時間があればあわせていかがで

すか?