贅沢空間「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展

東京国立博物館

「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展。


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いつもならば2階の左右の展示室の両方を

使うことが多いですが、

みほとけ展とデュシャン展で左右がわかれて

いました。

作品点数は少なかったのですが、

内容的には十二分に見応えがありました。

 

素敵だったなあと思い、トーハクのブログ

を参考にしながら以下で振り返ってみまし

た。読んでから行くと良い予習になりそう

です^^

 

六観音菩薩像ですっかり肥後定慶ファン

六観音は、

の6つの観音菩薩の総称とのこと。

それぞれに個性のある菩薩像ですが、

特に定慶41歳の作(定慶作とされて

いるもののうち最古だそう)とされる

准胝観音がとても素晴らしく

すっかり定慶ファンになりました。

腕の丸みや質感、肌のきめ細かさなど、

何でできているのか忘れそうになる程

リアル。

また、他の観音像も総じると、

衣服のドレープが幾重にもあり、

快慶のそれよりもとても華やかで

風を含んだような感じがありました。

 

如意輪観音の台座も木を立てかけた

ような趣向になっていて、

当時のものかはわかりませんが

新奇性があり、面白かったです。

 

快慶の部屋で十大弟子立像に囲まれる

定慶の部屋より前に快慶の部屋があり、

秘仏本尊、釈迦如来坐像と十大弟子立像

があるのですが、

部屋の入り口が見えるなり、

「おお、すごい」という声がよく聞かれ

ました。各仏像の間隔をゆったりとった

展示で、広い空間を贅沢に使っています。

 

十大弟子立像は

舎利弗ならば「説法第一 どんな人でも

説得」、目犍連(快慶自らの作とされま

す)ならば「神通第一 いざという時は

超能力」など、いわば「人となり」が

あり、それぞれの表情や体躯の個性が

素晴らしく、一体一体、

個性と目の前の立像を付き合わせて

「さもありなん」と思うことが多々。

とても楽しく眺めることができました。

また、着衣のドレープの繊細さにも

惹かれました。

 

阿難陀が美男とされるようですが、

私は阿那律(「天眼第一 眼は

見えないけれど心の眼で」)がとても

気に入りました。

横顔の美しさでまずハッとして、

正面から見ても美しくて。周りの

方々の中にもこの立像を「綺麗」と

言っている方がいらっしゃいました。

 

展示説明でよかったこと、残念だったこと

とても個性的な十大弟子が面白く見えた

のは、作品リストの裏面の情報(上の写真

のものです)に気づいてから。f:id:apricotty:20181125145410j:image

ほんのひとこと、ふたことですが、

それぞれの弟子がどんな個性があると

されるのかがわかるものです。

そのわずかな紹介文でも、

読むと俄然、像を見るのが楽しく

なりました。

フェルメールでは冊子でしたが、

そんな形態でなくとも、

その作品の情報が手元で見られる

ということはひとの興味や関心を

深める機能があるように思いました。

 

ただ、なかなかリストの裏面には

気づきにくい上(他の方々が手に持って

いるものを見て随分経ってから私は

気づきました)、

会場自体の説明パネルも

部屋の奥の方にあり、情報がないまま

漫然と見続けてしまいがちかと思います。

 

また、説明パネルには展示作品リスト

以上の情報がなかったのも残念でした。

もう少し各弟子の個性がわかるような

説明があれば、

一つ一つの像をより興味深く観ること

ができ、世界にひきこまれる感覚に

なるのではないかと思いました。

 

「戻ってもう一度」もおすすめ

人が少なくスペースがゆったりとして

いるので定慶まで観終わってから

また快慶に戻って比較しながら全体

を見るという楽しみ方もおすすめです。

 

秋の庭園開放

企画展が行われている平成館のすぐ

横に入口のある庭園は期間限定で

開放される癒しのスポット。

秋の庭園開放は12月2日の日曜

までです。

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紅葉している木々もある中での散策、

もし時間があればあわせていかがで

すか?