撮影可能な企画展に期待すること

パリのルーヴルに行ったときのこと。

モナリザの前は黒山の人だかりでした。

 

でも、それは必ずしも作品をみるため

ではなく、多くのひとはモナリザ

背を向けて写真を撮るのに一生懸命。

 

写真撮影できるとなると

目の前の物を落ち着いて味わうことが

難しくなってしまうんだなあと感じました。

 

最近は日本でも撮影可能な企画展が

ちらほら。

 

そういう会場内はシャッター音や

先を争うように写真をとろうとする

いくつもの手、

ときたま意図せず光ってしまうフラッシュ

などであふれていて落ち着きません。

 

美術館や博物館の撮影可能は

なんだか希少価値な感じで、

感動したとか、気に入ったとか、

そんな余裕がなくなって

とりあえず写真を撮ってしまう。

観察していると

そんな感じが多い気がします。

 

最近は美術館のほうも

インスタ映えとか、

SNSでの拡散とかを

期待しているのがわかります。

 

でも、館内をよく観察してみてほしい。

 

本物を直に体感してもらう環境が

損なわれていないか。

みてもらいたいのを、

みてもらいたい形で提供できているのか。

 

写真撮影できるのは嬉しい。

その体験をどんな風に取り入れたら

自分達に大切にしたいものと

お客さんの満足の両方がみたせるのか。

 

案配を考え、工夫していってくれたらと。

 

お客さんは必ずしも本物を撮らなくても

良いのかもしれません。

 

たとえば西洋美術館で昨年開催された

アルチンボルド展の

アルチンボルドメーカー。

AIを活用し、世界観を楽しみながら

記念撮影できるスポットが話題になりました。

 

デジタル技術や復元技術をAIなどを

活かした撮影スポットを設けるとか、

そういう形のほうが冷静に

楽しめるのかも?

 

工夫する企画展、楽しみにしています。